前クール作品ですが、「アイドル事変」面白かった!

アニメの中のアイドル議員さん(の中の人)達が歌う公演もありますね。
まぁ豪華な面々ですねぇ。作品中も、キャストさんチョー豪華だったし!

でもね…。これって興行的にはどうだったんだろう?(いや、どうなるんだろう?が正しいか)


 
まず言っておく事としては、この作品は凄く面白かった。

ざっと、ストーリーを振り返ってみます。

アイドル議員という存在がいる世界のお話。勿論議員全員がアイドルなわけではなく、一般の議員さんもいる。総理大臣はやはり普通(?)の人。
一方アイドル議員は、若く(まぁ10代~20代って感じかな)てカワイイ、まさに「アイドル」な方々。
彼女達が議員になる理由は「皆を笑顔にしたいから」、「子供達の居場所を守りたい」、「宇宙の魅力を伝えたい」、「闇の力に導かれ…」、などなど様々な理由から。

そんなアイドル議員と、従来然とした一般議員達が様々な社会問題で対立しながらも、その持ち前のバイタリティで困難に立ち向かっていき、その魅力で仲間を増やし、対立している人をも魅了しながら解決に導いていく。

しかし、アイドル議員達の活躍をよしとしない総理大臣や幹事長達の陰謀で、徐々にアイドル議員達は苦境にさらされ、かつての伝説のアイドル議員達が立ちはだかる。
自分のやってきた事が無駄だったという事実をつきつけられた主人公の夏月(なつき)は、自信を喪失し歌えなくなってしまい、故郷の新潟に帰ってしまう。

他のアイドル議員達は結束し、「アイドル」としてレジェンド達に勝利するものの、総理によるアジテーションで「議員」としては失格の烙印を捺されてしまうことに…。

そんな中、かつて問題を解決していった場所へ赴く夏月は、そこで当時ライバルだった議員達の話を聞いて、自分のできる事を再発見し…

まず、序盤のアイドル議員達紹介回を経て、中盤の四天王的ライバル、Cherry7(の内4名)の登場、そして満を持して登場のラスボスソウリ!
序盤のライバル一般議員達が、こぞって「」になっていくのは、笑えたのですが、よもや重要な役回りをしめるとは…。

総理大臣も単なる老害ではなく、自分の信念を持ってアイドル議員の前に立ちはだかっているところや、色々な風刺が効いているところとか、結構練りこまれたストーリーです。
主人公夏月の挫折から復活、パートナーとの絆、アイドル議員達との強力、かつてのライバルからの援護などなど、色々と王道を押さえていて、作品の完成度は高かったと思います。

まだ未登場の元祖アイドル議員とか、謎も含んであわよくば2期なんて作りも憎たらしい

さらに、ブシモ提供なのもあってか、リズムゲームとの連動。ゲームでは47都道府県から選出のアイドル議員達も登場。

キャストも(恐らく全員)キャラクターと同じ出身地でそろえるという、何とも贅沢な…。
アイドル事変

(公式ホームページキャラクター紹介ページのスクリーンショット。公式HP→アイドル事変公式HPキャラクター紹介


そう、引っかかったのはここなんですよね。これ、キャストが贅沢すぎる。
レジェンドアイドル議員達の一人が田村ゆかりだったり、脇を大川透さんなどの大御所が固めてたりなど、アニメとしてキャストを贅沢に使うのは、大いに賛成、ウェルカムです。

だけど、この作品…「アイドル事変」となると、昨今で求められるのは、CVのリアルパフォーマンスですよね。恐らくそれを意識したところもあるのでしょう。
久保ユリカ、上田麗奈、芹沢優、東山奈央、仲谷明香、照井春佳、渕上舞…、みんな歌って踊れる声優さん達です。
当然ながら、DVD/Blu-rayの特典にも、彼女達のステージへの応募チケットが封入されています。

これが悪いと言っているわけではありません。人気のある方々ですし、きっとステージも成功するでしょう。ただ、これで声優さん達がまた忙しくなるなー…そう思ったんですよね。

μ’sの成功例は本当に凄かったと思います。
一方で、9人のうち、えみつん、うっちーは喉に不調で休養(復帰してますが)、じょるのも腰などを負傷しました。人気声優さん達、しかもアーティスト活動をしているような方々を集めると、さらにその方々に負担がかかったりしないのかなぁ?大丈夫かなぁ?

…そんな心配が、ふと頭をもたげたのです。

後、この作品、音楽ディレクターにつんく♂さんが参加されています。おかげで主題歌などは耳に残る、いい感じの楽曲だったと思います。これがゲームで遊べるとなると、嬉しいですよね。
でも、オリジナル曲って、たかだか10曲くらいでは無いでしょうか。

スクフェスってオリジナル楽曲だけで60曲(今は80曲以上ですか?)もあるんですよね。
バンドリはオリジナル曲がやっぱり10曲くらい。

リズムゲームで考えると、60曲あると楽しめるけど、10曲だとすぐに飽きちゃう。
バンドリはカバー曲がたくさん入ってますね。アイドル事変も10曲では足りないだろうから、カバー曲が入るんでしょうか。このあたりも声優さん達の負担が増す原因になりそうです。

アイマスもラ!もサ!もWUGも一部例外も含んでいますが、キャストさん達とキャラが一緒に成長した世界のように思います。
バンドリもポッピンパーティこそ3名が新人さんですが、ライバルバンドは人気声優さん使ってますね。WUGもライバル達はそうだった気がする。アイドル事変の場合は主人公以外は実績ある方々使ってますね。

この手のアニメだと、関係するステージもあって、それに向けて歌と踊りのレッスンを声優さん達が頑張っているのですよね。「声優さん」が…。

声優さんが、ソロで音楽活動をされるのは良いと思うのですよね。
でも、作品に参加する事で、それ以外に活動が増えていくのはどうなんでしょう。「活動=負担」ですよね。あまり負担が増えると、今回の細谷くんのように、限界を迎える方もまたでてきてしまうのではないか?と思ってしまいます。

今回、作画も最後まで素晴らしかったし、本当に金がかかっているよなーと思いました。話も面白かったし。
んじゃ、この作品のキャスト、全員無名の人だったらどうなのでしょう?
話も絵も楽曲もいい。キャストは普通…でも十分楽しめる作品にはなったと思います。

話題になれたか?
「アイドル」と「政治」の「アニメ」という事で、十分に興味をそそられるキーワードだったと思いますし、自分もだからこそ観たわけです。
一方で、なおぼうや植田さんのツィッターを見て、彼女達がでてるのか…という興味があったのも確かです。作品を見る見ないの判断材料に、いまやCVは欠かせないと言えるでしょう。(特に深夜アニメは)
全員知らない声優さんだったら観ていなかったかもしれない…とも思います。けど、1話見るまで、誰が出てるのか、全く知りませんでしたし、結果からすれば視聴には影響なかっただろうと思います。
だったら、無名のとは言いませんが、既に他にも同様の仕事を抱えて、負担が多い声優さんじゃなく、新たな声優さん達を発掘(WUGのように)するとかできなかったんでしょうか?

なんか、この贅沢な声優さんを使ったコストを回収する為に、キャラクターCDの発売やライブイベントなどが行われ、声優さん達に負担を押し付け、うまく行けば2期製作。ゲームも課金ユーザーが増えたらなおラッキー…みたいな製作サイドの思惑が見えるようで、ちょっと不満&不安なのですね。

ストーリーその他がとても面白く、魅力的な作品だったからこそ、それ以外で回収しようとする昨今の(声優)アイドルアニメのありように疑問を持ってしまったのでした。(正直マクロスΔのワルキューレも悪い意味で乗っかりましたよね)

声優さん達が頑張れる(稼げる)機会が増えたのは良い事だとも思いますが、一部の人気声優さん達に集中しているような懸念もあります。せっかく声優さん達の新しい活躍の場ができたのですから、もっともっと新人さんを発掘して、負担を分散させるなどの工夫が欲しいですよね。
業界の思惑には潰されないで欲しいと思う次第です。


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